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日本古来から伝わる風邪の予防対策として有名な食べ物と言えば、しょうがです。歴史の本などでも、風邪にはしょうがが良いと書かれたものがあるくらいです。免疫力を上げ、気管支の炎症を抑える効果があります。しょうがを大根おろしのようにすりおろして、それを紅茶の中に入れて飲んだりします。実際にしょうがを飲むと、すぐに身体が温まって、風邪気味な冷えた体でも汗が出てくるようになります。いっぽう韓国でも、しょうがは風邪の時料理にしたりお茶にして飲まれます。またショウガに似た作用があるもので、桔梗(トラジ)という日本ではほとんど食べられない植物もあります。根っこの部分を食べる植物です。
 その他に日本韓国で共通して風邪に効く食べ物と言われているのが、ナツメ、カリン、梅の実です。ナツメは体を温める効果があり、乾燥したナツメを食べたり、お茶にして飲みます。カリンは日本でも、のど飴に使われており喉に効くと言われています。韓国ではそのまま食べると言うよりは、ゆず茶の様に甘いお茶として飲みます。また梅の実は熱を下げる効果があります。日本でも熱がある時に梅干しを食べるときがあります。韓国では梅の実エキスを飲むことが一般的なようです。幼い頃、一緒に暮らしていた祖母の頭から時々煙が上るを見て面白かったのを今でも思い出します。祖母は絨毯に両脚を投げ出して座り、両手で椅子の脚をがっちり握り締めていました。突然「あちっ、あちあちちちち…」と言いながら、目鼻が分からなくなるほど顔じゅうをしわくちゃにして熱さに耐えていました。
以下のことをマンガで読みました実は祖母がいつからか頭を無意識にユサユサと振るようになってきて(高齢者では時々見かけることですが)出版社によると灸師である親戚から教わった父が頭のツボにお灸を据えていたのでした。祖母の頭頂部中心の髪をほんの一部だけ短く切り、‘もぐさ’を小さくひねったものを置いて線香の火で燃やすのです。もぐさが下まで燃えれば肌に火が付く訳ですから、それはもう熱いと言ったらありません。それを一度に数十回繰り返すので、お灸をした後は夏にキャンプファイヤーをした翌日の炭の残りみたいに真っ黒になっています。
私はまだ子供だったので何がどう効いているのか分かりませんでしたが、マンガで作家に縁あって自分が鍼灸師になり謎が解けました。父がお灸を据えていたのは『百会(ひゃくえ)』というツボでした。体中には何本もの『経絡』と呼ばれる気の通り道があるのですが、その多くが百会で交差するので非常に重要なツボなのです。痔のツボとして一番有名な百会ですが、上に上がるべきエネルギーを上昇させる働きがあるので、脱肛や子宮脱、内臓下垂など体が部分的に下がりがちの人にも用います。また、祖母のように頭を振る(東洋医学では体内に風が起こって揺れている状態)などの頭部症状にも効果的ですし、自律神経の安定や精神症状の改善も期待できる万能ツボです。
場所は鼻すじを頭部へなぞったラインと両耳の尖端を結んだラインが交差するところで、医療漫画の医龍なが有名で大抵の方は少し凹んでいます。自分でお灸をするのは難しいですが、指圧をすることは出来ますので覚えておくと便利ですね。
さて、その後の祖母はというと、何年お灸を続けたかは定かではありませんが、晩年にはもう据えなくなっていました。というのも頭を振るのを止めたからです。しかし、祖母が100歳まで天寿を全うできたのは、あの時期のお灸があったからだと思います。『百会』は長寿のツボでもありますから、高齢者が近くにいる方は是非お灸をオススメします。お灸は元々民間療法で一般の人々が行っていました。家族のためにやるのであれば資格は要りませんから、最寄の鍼灸師にツボの場所とやり方を尋ねて挑戦してみてはいかがでしょう。