「ぼくは麻理のなか」表情

2巻

1コマ1コマ見入ってしまうほどキャラクターの表情が豊かなところは、押見修造さんの真骨頂だとおもいます。
この巻では、麻理がどんな女の子だったのか徐々に明らかになってきますが、麻理の行動を知れば知るほど謎は深まるばかりの展開となっています。
麻理のミステリアスな一面が垣間見えることによって、ストーリーがますます魅力あるものになっています。
そして、麻理の中に入っている「ぼく」ですが、なんとか麻理を演じようとしますが、リア充とは無縁の日々を送ってきたため、非常に無理があります。そんな中、うっかり「ぼく」らしさを出してしまい取り返しのつかない状況になってしまいます。
ハラハラどきどき、続きが気になって仕方ありません。


3巻

麻理として何とか日々を過ごしていた「ぼく」小森功であったが、ついに破局を迎えます。失意のどん底に落とされながらその状況に激昂する「ぼく」の激しい感情変化が、麻理の沈痛な表情と言動を通して次々と襲いかかり、心を揺さぶられます。
終盤、麻理を襲う、ある事件をきっかけに、「ぼく」は一大決心し、急展開を迎えることになります。
今まで、流されるままに行動していた「ぼく」が、確かな意思を持って行動し始める転機の巻です。
はたして「ぼく」は変わることができるのでしょうか。そして、本当に麻理はどこへ言ってしまったのか・・・柿口依とともに、弱くてふがいなくとも、ひたむきに麻理を探しはじめた「ぼく」をそっと応援したいと思います。


4巻
物語は結末へ向かうと見せかけて、新たな方向へ展開していきます。
今までの麻理の日常を「ぼく」が壊してゆきます。
両親の不仲、完璧でしっかり者の麻理を演じる、ストレス、危ういバランスで保たれていた日常の破壊は、もしかしたら麻理本人も望んでいることなのかもしれません。
「ぼく」の麻理に対する気持ちも1巻の邪な気持ちから比べるとだいぶ変化が現れています。「ぼくはきみだ、きみはぼくだ、君の中に消えてなくなれ、ぼくなんか溶けてしまえ」という「ぼく」の台詞が印象的です。
押見さんは、人間の内面を描くのが本当に上手いなと感心します。
終盤、問題のある人物から電話がかかる展開があるなど、いい意味で予想を裏切り続けてくれます。5巻が待ち遠しいです。