幕末の長崎丸山の遊郭

蝶のみちゆき
幕末の長崎丸山の遊郭を舞台に、絶世の花魁・几帳を巡る愛を切なくも艶めかしく描いている作品です。美貌と才能で世の男を虜にしている几帳には、実は病気の夫・源一郎がおり、自分の上客であるオランダ人医師・トーン先生を欺き夫の治療をしてもらっているのでした。一方、源一郎と前妻の息子・健蔵は、父をおいて遊郭に戻った几帳を憎んでいますが、後に几帳が陰でどれほど自分たちを助けていたかを知ることになります。几帳と男達の思いは擦れ違い、哀しいラストを迎えるのでした。繊細で美しい絵が、遊郭の華やかな様子と裏に潜む影を浮かび上がらせます。長崎の方言と廓の言葉が混じり合ったエキゾチックな雰囲気も魅力的です。しっかりした時代考証で、歴史ものとしても楽しめます。海外で先に注目され、日本でも多くのアーティストが高く評価しています。

2017年01月09日